伊賀泰代『採用基準』感想

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社会人になったしビジネス書でも読むかと思って、どっかでおすすめされていたので読んでみた。

採用基準と言いつつ、ほぼほぼリーダーシップについての話。

はじめにマッキンゼーの採用基準として地頭、英語、リーダーシップを挙げ、中でもリーダーシップが最重要だとする。それからリーダーシップはなぜ必要かを説明し、次に日本企業や日本のコミュニケーション様式を批判しながらリーダーシップ概念の説明をする。続いてリーダーシップの具体的な中身(:目標を掲げる、先頭を走る、決める、伝える)を述べた後、マッキンゼーにおいてどのようにリーダーシップが学ばれているかを述べている。

 

印象に残ったのは、

・実際に物事を動かすのはロジックではなく、リーダーシップだということ*1
マッキンゼーという最前線にて戦ってきた人として、リーダーシップの具体的要素と学び方を述べていること。リーダーシップを育てるにあたってよいたたき台になると思った。

の2つ。一方で、

・大枠の構成はロジカルであるものの、細部の主張は感情的であること*2
・ビジネスや世界の変革を最上の価値としており、多様な価値観を想定しない書き方であるところが少しきつかった
・日本人のリーダーシップの欠如を大学の責任とするような記述が繰り返しあったが、まあやってもいいけど小中高、企業とかでいいのでは

この辺は微妙だった。

この手の本を本当に活かすなら、手元に置いて適宜参照すべきなのかなと思ったが、そこまでするほど気持ちが乗らなかった。

*1:物事を動かすことはリーダーシップのコア概念であるので、少し循環的な記述

*2:これがコンサル的なリーダーシップかーと腑に落ちる部分もあったり